哺乳瓶「イッキ飲み競走」で妊婦を祝福 【地球の最北で子育て#02】

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第1話で、入籍1週間後から始まった米国と日本とでの“別居婚”。

今回は、国を股にかけての“妊娠判明”からアラスカ移住、そして米国での5度の妊娠生活で強烈に思わされた、コミュニティー全体で「新しい命を祝う」ことについてお送りします。

nagaoka

体調不良から突然の「おめでとうございます!」

別居婚を始めてからの1年と数ヶ月は、引き裂かれる思いとともに、「ネイティブアラスカンの仮面」についての論文に取り組む毎日でした。

締め切り間近の数週間は、朝から晩までコンピュータのスクリーンに向かい、睡眠不足が続きます。しだいに、下腹部に鈍い痛みと不正出血、そして“めまい”を感じるようになりました。

そこで、無事論文をオフィスに提出したその足で、産婦人科へ向かいました。それ以前にも、少し無理をすると同じような症状を感じたことがあったので、1度しっかり検査してもらおうと思ったんです。

「おめでとうございます! 6週目ですよ」

口ひげをはやした産科医の嬉しそうな声に、呆然としました。

卒業と共にアラスカへ移住する予定ではいたものの、こんな“ギフト”がついてくるとは、予想していなかったんです。

 

自分がいなくなっても続く命

病院を出ると、夕焼け空。ふと、“ユア”を思い出しました。

その日までの2年近く、寝ても冷めても取り組んだ「ネイティブアラスカンの文化」では、かつて森羅万象に、ユアという“永遠の生命”が宿ると信じられていました。

ユアは、動物や人の中に、“人の形”として表されます。「ネイティブアラスカンの仮面」に刻まれたシャチのユアは、「母体に宿る赤ちゃん」にも見えませんか?

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ネイティブアラスカンの人々の間では、ユアは、身体がなくなっても、世代をこえ受け継がれると信じられています。オレンジ色の空を見上げながら、「自分がいなくなっても続く命か……」そんなことを想っていました。

卒業が確定してから始めたアメリカ合衆国のビザ申請手続きには、予想以上の時間がかかり、移住が許された時には、すでに妊娠7ヶ月になっていました。

空港に送ってくれた両親と涙の別れをし、さて、旅立ちです。7時間近くの飛行時間中、25年間暮した日本の思い出が次から次へと溢れます。

涙をぬぐいながらお腹に手を当て、「もうすぐパパに会えるね」と話しかけました。こうして、ワンベッドルームのアパートで、文字通り「何も持たない」アラスカ生活が始まりました。

 

「ベビーシャワー」で哺乳瓶イッキ飲み競争!?

臨月に入る頃、姑とその友人達が、「ベビーシャワー」を開いてくれました。

「ベビーシャワー」とは、妊婦を祝うため、主に女性の親族や友人がプレゼントを持ち寄り、ゲームや料理を楽しむ行事です。米国以外にも世界中様々な地域で、似たような習慣がみられますよね。

ゲームは、赤ちゃんをテーマにしたものが多く、哺乳瓶のイッキ飲み競走、太ももに人形を挟んでヨチヨチと進みカゴに「産み落とす」競走、ドロドロの離乳食を味見し材料を当てたり、妊婦のお腹のサイズ当てなどもあります。

部屋中が爆笑に包まれました。

料理に舌鼓を打ちながら、先輩ママの出産体験や、乳幼児の世話の大変さ、パートナーとの笑い話など、妊婦を囲んでのガールズトークも盛り上がります。

持ち寄られたプレゼントは赤ちゃんの衣類やオムツなどのお世話グッズがズラリと並び、「いつ出産しても大丈夫!」と太鼓判を押されたような気持ちになりました。

 

「新しい命を祝う」パワーに溢れる!米国での妊娠生活

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米国で5回妊婦を体験し、強烈に思わされたのがコミュニティー全体に、「新しい命を祝う」という雰囲気が溢れているということ。

「ベビーシャワー」は、その後も妊娠のたびにしてもらい、何度か筆者自身も企画する側になりました。祝われる側祝う側どちらであっても、「ベビーシャワー」と聞くと、人々の表情は、パっと輝きます。

また、妊婦は街を歩いていても、さっと先回りしてドアを開けてもらえますし、重そうなものを持っていればいくつもの手が飛んできます。「で、予定日はいつ?」と見知らぬ人にニコニコと声をかけられることもしょっちゅうでした。

妊娠中、「祝福されている」と、何度も感じさせられたのです。

 

新しい命がもたらす「つながり」を大切に

筆者自身、世界中の文化について学び、実際様々な文化背景を持つ人々と交わる中で思ったことは、「新しい命」とは、人々を“つなぐ”面があるということ。

ネイティブアラスカンの“ユア”のイメージに見られるように、世代をこえ過去と未来を貫く「タテのつながり」、そして、コミュニティーの皆で祝い「ヨコのつながり」を強めるものということです。

現代の多くの地域では、「タテのつながり」も「ヨコのつながり」も希薄になりつつあります。そうした中、日本では、ママが孤立する「孤育て」が社会問題ともなっていますね。

「新しい命」をコミュニティーで祝福するということ、それにはまず、身近な妊婦を思いやり、気の置けない友人や親族で集まり、「新しい命」を祝い楽しむことから始めるのも、ひとつの方法かもしれません。

 

次回は、“壊れた出産”についてお届けします! お楽しみに。

 

【参考・画像】

ユア子育てスタジオ

※ The Living Tradition of Yup’ik Masks” by Ann Fienup-Riordan

※ Monkey Business Images、El Nariz / Shutterstock

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【著者略歴】

長岡真意子…子育て研究人。世界中旅をしながら人類学を学ぶ。北米で2男3女を育てつつ、大学講師から幼児教室主宰まで、幅広い年齢&文化背景を持つ子ども・青年の「育ち」に携わる。実家は保育園。高校地理歴史教員免許&学芸員免許を資格に持つ。

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