現代ママの多くが「育児に不安を感じる」理由とは?

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育児を不安に感じる女性が増え、産後うつも増加しています。

しかし、昔の女性は出産年齢が若く、5~10人の育児を経験していました。(※1)

なぜこんなに育児を不安に感じる時代となったのでしょうか。

児童精神科医の故・佐々木正美先生の書籍をもとに、ママが不安を感じる理由についてあき助産師にお話しいただきます。

育児を不安に感じる理由とは

育児は「人間育て」で、「自分育て」でもあります。

相手が人間なのだから、初めてでも10回目でも、不安を抱えるのは当たり前のことでしょう。

でも、昔から「育児が不安でたまらないママ」は今ほど多かったのでしょうか。産後うつになる女性が増えている昨今、なぜ育児が不安になるのか、筆者の意見をまとめます。

 

赤ちゃんが分からない

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少子化時代で、女性が一生のうちに出産する子どもの数は1.42人(※1)(2018年)。

1950年は3.64人、1970年は2.13人(※2)であり、女性が一生のうちで出産する人数は明らかに減っています。

そのため、親せきや地域で赤ちゃんにふれあう機会が少なくなりました。

すると、分からないからこそネットで情報を集め、マニュアル通りにいかないとさらに不安を感じてしまう…というスパイラルにはまってしまいます。

※1 内閣府合計特殊出生率の推移

※2 厚労省人口動態統計2018

 

感情のモヤモヤを解消しにくい

日中はママと赤ちゃんが2人で過ごしている核家族であれば、ママの話し相手はいません。よって、感情を言語化する機会が少ないと思われます。

「うんうん」「なるほど」「大変だったね」と共感してもらえるだけで、モヤモヤした感情はぐっと少なくなります。

しかし、少子化や核家族化で「ちょっと話をしたい」人がまわりに減りました。一番話を聞いてほしい相手であるパパは、長時間労働で帰宅時間が遅いことが多い……。

そのため、「話をちゃんと聞いてもらえない」→「きちんと感情を言語化できない」ままで過ごすことになってしまうのではないでしょうか。

社会の関係性の希薄化

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社会関係の希薄化が育児の不安を感じる理由のひとつであると、児童精神科医の故佐々木正美先生の著書の中に書かれています。

なぜ現代のお母さんは、あるいは夫婦といってもいいかもしれませんが、育児が下手になったかということです。それは人間関係が下手になったからだと思います。ひとことで言えばそういうことなのです。

親子関係だけを一生懸命にやっても親子の関係はうまくいかないし、育児の不安もなくならないのです。夫婦関係、近所の人との関係など、いろんな人間関係の一部が親子関係なのです。

(中略)

育児不安というのは、お母さんの自分の存在自体にたいする不安だと、私は思います。人間のあらゆる努力の営みは、つまるところ「阻害や孤立を回避しようとするものである」といった高名な心理学者がいますが、人間関係の中で安らいでいきたいという感情は、人間の本能なのです。

ですから、人間関係に緊張やわずらわしさを強く感じがちになっている現代人は、ある意味では本能を破壊しながら生きているわけですね。自然な育児や老人の介護ができずに虐待になってしまう大人の世界も、クラスメートと共感できずにひどいいじめが生じてしまう子どもたちの世界も、おそらく同質のものなのでしょう。

いつでも相談にのってもらえる人がいるという、この安心感が大切なのです。その安心感は、何も医者だけに求めるものではなくて、「何かあったら夫婦で協力して一生懸命にやれますよね、お父さん」「そうだよ、お母さん」という関係が、夫婦にも必要なことでしょう。

お隣だって助けてくれるし、というような気持ちを日ごろもって生活している人はそれだけゆったりしていますからね。そんな気持ちを心がければ、育児不安なんかは、もっともっと少なくなっていくと思いますね。

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「人間関係のなかで安らかな気持ちでいたい」のは人間の本能…。しかし、育児中は社会から疎外されたように感じてしまう。

仕事仲間や友人と話をする機会も少なくなり、地域の関係が希薄化し会話はあいさつ程度……。そのような時代背景も、育児を不安に感じる理由なのでしょう。

育児中に、「かわいい赤ちゃんですね」「大きくなりましたね」そんな声をかけてもらえるだけで心強い。安心感をもって育児するママが増えるためには、地域のなかで関心を持ち合うことからなのだろうと筆者は強く感じています。

 

【参考・画像】
「平均初婚年齢と出生順位別母の平均年齢の年次推移」「完結出生児数の推移」 – 内閣府
「合計特殊出生率の推移」- 内閣府
人口動態統計2018 – 厚生労働省
「子どもへのまなざし」佐々木正美著 福音館書店
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