子どもの「口呼吸」は顔つきに悪影響!? 原因と受診すべき診療科

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小さな子どもは鼻が詰まりやすいですよね。一年中鼻水が出ていたり、繰り返し風邪をひいてしまったり……。

はたまた、小さなうちから花粉症のせいで鼻で息ができず、お口で息をしていることも見られます。そしていつの間にか、風邪をひいているわけでもないのに、気がつくとお口が“ぽか〜ん”と開いていませんか?

この、お口で呼吸する“口呼吸”や、“お口ぽか〜ん”は子どもの体の調子や歯並びやかみ合わせに影響してしまうんです。

今回はママ歯科医である筆者が“口呼吸と顔や口との意外な関係”についてお伝えします。

子どもの「口呼吸」が習慣化する6つの理由

口呼吸はどうして起きてしまうのでしょうか。それにはいくつかの原因が考えられます。

(1)鼻の奥の扁桃やアデノイドが大きい

(2)蓄膿症やアレルギー性鼻炎など慢性的な鼻詰まり

(3)風邪で鼻詰まりの期間が長引き、口呼吸が習慣になった

(4)口の周りの筋肉が弱くて唇のしまりが悪い

(5)前歯が出ていて口が閉じにくい

(6)上顎が狭い

このような症状が当てはまるようならば「お口を閉じなさい」と注意したところで、そもそも鼻で呼吸できずに苦しかったり、口をうまく閉じることができなくなっているのかもしれません(※1)。

(1)~(3)の症状があれば耳鼻科を受診しましょう。

また(4)〜(6)に当てはまるのかどうか心配なときは、小児歯科で歯並びやかみ合わせに問題があるのかどうか、診てもらうと安心です。

 

口呼吸が続くと何故いけないの?

では、なぜ口呼吸が身体にとって良くないのでしょうか。

鼻は冷たい空気を温めたり、空気中のほこりやバイキンを捕まえ、綺麗な空気を肺に送るフィルターの役割をしています。

一方で口にはこのような作用がないため、口呼吸だと冷たくて浄化されていない空気が喉や肺に送られてしまいます。そのため喉などに刺激が加わって免疫力が低下し、風邪を引きやすかったり、アレルギーに繋がる可能性が考えられるのです(※1,3)。

また、口呼吸を続けると口の中が乾燥しやすくなります。そのため、唾液でお口の中が洗い流されにくくなり、口臭や歯が着色しやすくなります。さらには虫歯や歯周病になりやすいお口の中になりがちです。

 

歯並びやかみ合わせにも悪影響?

歯は唇や頬や舌などの顔や口の筋肉の力関係のバランスの取れた位置に並んでいます。

鼻で呼吸している場合、普段は口を閉じていますよね。このとき、舌の正しい位置は上顎にペタッとついた状態です。この力で上顎が横に広がり、鼻腔も十分に広がると考えられます。しかし、先に述べたような口呼吸の子どもは舌の位置が上顎についておらず、狭い鼻腔になりがちだと言われています(※2)。

この状態が長く続くと、口を閉じる筋肉が弱って口がぽかんと開いていたり、上の歯並びが狭くなったり、上の前歯が前方に出たりといった問題が出てきます(※2,3)。さらには、あまり程度が強いと「アデノイド顔貌」といって、顔の形の変化が見られることもあるので注意が必要です。たかが口で呼吸、と侮ってはいけないのです(※2)。

 

まずは耳鼻科に相談を

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前述のような口呼吸の原因があるにも関わらず、「口を閉じて鼻で呼吸しなさい! 顔つきや歯並びが変わっちゃうわよ」と叱っても、子どもは苦しいので口呼吸をやめられません。

まずは耳鼻科で鼻の病気を治してもらいましょう。例えば扁桃は成長とともに小さくなる傾向があるためすぐに手術することは稀ですが、その際も「どうしたら鼻で楽に呼吸できるか」を相談してみましょう。

子どもは4歳ごろになると親の説明を理解できるようになってきます。食事の際は、唇をしっかりと使って食べ物を取り込むことを意識しましょう。食べこぼしがないよう、唇を閉じて食べることも教えてあげましょう(※1)。

また、耳鼻科を受診してみて問題がなければ、口の周りの筋肉を使うような遊びを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。おもちゃの笛やラッパやハーモニカ、シャボン玉、あるいはろうそくの火を吹き消すなど、遊びながら口周りを意識できるといいですね。大きめのボタンにタコ糸を通して結び、それを唇と歯の間に挟んで引っ張るといった運動も口周りの筋肉を鍛えます(※1)。

歯並びやかみ合わせが原因で口呼吸になっている場合は、一度小児歯科や矯正歯科で相談してみましょう。どの時期にどのような治療が必要かは個人差があります。指しゃぶりなど、別の癖がないかもチェックします。

 

いかがでしたか。

口呼吸の歯並びやかみ合わせへの影響は、以前から歯科でも注目されていました。最近は、鼻で呼吸できるけど「お口ぽか〜ん」の子どももよく見かけます。こちらも同様に歯並びやかみ合わせへの影響が懸念されますので、気をつけましょう。

口呼吸や“お口ぽか〜ん”をただ注意するのではなく、まずは原因を探ってください。耳鼻科や小児歯科でどこに原因があるのか、診察を受け、少しずつ鼻呼吸できるように取り組んでいきましょう。

※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考・画像】

※1 日本小児歯科学会 編(2005)『親と子の健やかな育ちに寄り添う乳幼児の口と歯の健診ガイド』(医歯薬出版)

※2 鼻のコラムvol.05 口呼吸が顔の骨の発育や歯並びに悪影響を与えているかもしれません – 鼻のクリニック東京

※3 実は危険な口呼吸 – オムロン ヘルスケア

※ Quintanilla、Lapina / Shutterstock

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【著者略歴】

進藤ゆきこ・・・専門家ライター。自身も子育て真っ最中の歯科医師、歯学博士。「毎日のオーラルケアをママとベビーのハッピータイムに」をモットーに、親子でお口の健康をもっと身近に感じてもらえるよう取り組んでいる。

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