出っ歯になるってホント?「指しゃぶり」を●歳までに卒業すべき理由

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赤ちゃんによく見られる指しゃぶり。可愛らしい姿ですが、周りから「歯並びが悪くなっちゃうよ」と聞くと心配になりますよね。

実は赤ちゃんの発達に指しゃぶりは重要な役割があると考えられています。そのため、年齢ごとに対応を変えるのがポイントです。

今回はママ歯科医である筆者が「指しゃぶりと歯並び」との関係について解説します。

年齢ごとの指しゃぶり傾向

ママのお腹の中にいる胎児期から就学前までの指しゃぶりの傾向はどのようになっているのでしょうか。

日本小児歯科学会の「小児科と小児歯科の保健検討委員会」が専門家の意見をとりまとめた「指しゃぶりについての考え方」という文書を2008年に発表しているので、そこからみていきたいと思います(※1)。

(1)ママのお腹の中の時期

赤ちゃんのエコーを見ているときに、指しゃぶりをしている様子を見たことがあるママもいらっしゃるのではないでしょうか?

赤ちゃんは胎生24週頃には指を吸う動きが出てくるそうです。そして32週頃からは、指を吸いながら羊水を飲む動きも出てきます。この頃の指しゃぶりは、赤ちゃんがお腹から出てすぐに母乳を飲むための練習として、重要な行動だと考えられています。

(2)生まれてから1歳頃

生後2〜4ヶ月では口のそばにきた指などを無意識に吸う“反射”が見られます。

生後5ヶ月頃はなんでも口に持っていき、なめたりくわえたりする様子を見たことがありませんか? これも立派な役割があり、目と手の協調運動の学習をしているのです。さらに、口元を使い、形や味、性状を学習していると考えられています。

そして、つかまり立ちなどが始まると、つかまり立ちの最中に指しゃぶりをするのは難しいので、指しゃぶりが減少していく傾向にあります。

(3)1〜2歳

1歳を過ぎると、ぐっと遊びや興味の幅が広がります。積み木など手を使う遊びも増えます。昼間の指しゃぶりは減って、退屈だったり、眠いときに見られる傾向があります。

(4)3歳〜就学前

幼稚園などに入って友達と遊ぶようになると、指しゃぶりは自然に減る傾向にあります。5歳を過ぎると指しゃぶりはほとんどしなくなると言われています。

指しゃぶりの歯並びへの影響

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子どもが指しゃぶりしていて心配なのは、かみ合わせや歯並びへの影響です。吸う指や方向によって、かみ合わせや歯並びへの影響も変わってきます。また、吸っている時間の長さや強さなどで影響の出方に差があります。

指しゃぶりによるかみ合わせの影響としては、次のような状態が挙げられます(※1)。

(1)上顎前突・・・上の前歯が前方に出る

(2)開咬・・・上下の前歯の間に隙間があく

(3)片側性交叉咬合・・・上下の奥歯が横にずれて正中が合わない

以上のようなかみ合わせの異常により、次に舌癖や口呼吸、発音への影響が起こりやすくなります。

鼻が詰まっているわけでもないのに口で息をしたり、ポカンと口を開ける癖がついてしまうこともあります。

指しゃぶりは何歳までに卒業すればいいの?

1歳のお誕生日までは生理的な行為なので、そのまま様子を見ましょう

色々な意見があるかと思いますが、「指しゃぶりについての考え方」という文書のなかで「3歳頃までは、特に禁止する必要がないものであることを保護者に話すようにすることが大切である」と記しています。

ただし、1〜2歳の時点で、強く吸うために「指ダコ」ができていたり、四六時中ずっと頻回に吸っている場合は、4~5歳になって習慣にならないよう、小児科医、小児歯科医、臨床心理士へ相談し、対応が必要になることもあります。

3歳児健診には「いつも指しゃぶりをしていますか」との質問事項があります。指ダコができていたり、日中も頻繁な指しゃぶりが続いているようでしたら、健診の際に歯並びやかみ合わせも含めて診てもらいましょう。

 

いかがでしたか?

寝かしつけのときは、手をそっと握ってあげて、そばで眠るのを見守ってあげると安心します。決して、指しゃぶりをしている子どもを否定する必要はありません。4~5歳で習慣にならないように、指しゃぶりを見かけたら、手遊びやお絵かき、折り紙など、手を使う遊びや外で思い切り遊ぶなど、一緒に親子で遊ぶのもオススメです。

※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療ではなく、正確性や安全性を保証するものでもありません。適切な診断・治療を求める場合は、医療機関などを受診してください。

【参考・画像】

※1 指しゃぶりについての考え方 – 日本小児歯科学会

※ 小児科と小児歯科の保健検討委員会編(2009)『子どもの歯と口の保健ガイド』(日本小児医事出版社)

※ leungchopan、Duplass / Shutterstock

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【著者略歴】

進藤ゆきこ・・・専門家ライター。自身も子育て真っ最中の歯科医師、歯学博士。「毎日のオーラルケアをママとベビーのハッピータイムに」をモットーに、親子でお口の健康をもっと身近に感じてもらえるよう取り組んでいる。

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