「まだ寝てくれない……」子どもの体内時計と就寝時間の関係

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子どもが2歳を過ぎて体力がついてくるのに伴って、睡眠の悩みを抱えるママ・パパが増えてくるようです。

筆者がカウンセリングなどでよく聞くのは、“寝かしつけに時間がかかる”というお悩み。子どもも親もそれぞれ違った意味で疲れてしまう問題ですよね。

睡眠は子どもの成長においてとても大切な要素ですが、大人の親にだって健康を維持するカギの一つですから、一日も早く親子にとってベストな睡眠スタイルを見つけたいところです。

今日は、体内時計と睡眠の関係について、アメリカの大学が昨今実施した研究によって判明した意外な事実も参考にしながら、育児コンサルタントの佐藤めぐみがお伝えします。

佐藤めぐみ

睡眠問題のカギは「メラトニン」が握っている!?

子供の睡眠で悩んでいるのは、日本のみならず、アメリカでも同じ。

それを解消すべく、アメリカのコロラド大学が子供の睡眠問題を“ホルモン”という切り口でアプローチした論文を2013年に発表しました。

睡眠に関係があるホルモンといえば「メラトニン」というホルモンです。

メラトニンの分泌は主に光によって調節されていて、夕方日が落ち辺りが暗くなってくると、通常はメラトニンの値が上昇します。体内時計上では夜のはじまりを意味します。

メラトニンと寝つきの関係

研究の対象は、2歳半~3歳の子供たち。

普段の夜の睡眠が10.5時間以上、昼寝が45分以上の子を持つ14家族に協力を依頼したものです。

実験の内容は以下の通り。

・それぞれの子供達の親から睡眠に関する情報を収集

・子供の腕に特別な計測器をつけ、ホルモンの変化と寝つきの状況を6日間追跡

・就寝時間前の6時間、メラトニンの数値を30分ごとに計測(夕方のメラトニン値が上がる時刻をチェック)

すると、次のようなことが分かりました。

・メラトニン値が上昇し始める時刻は、14人の子どもそれぞれに違いがあった

・寝つくまでに時間がかかる子は、メラトニン値が上がる時刻が遅い傾向があった

・メラトニン値が上がる前にベッドに入れられていた子は、寝るまでに40~60分かかった

・メラトニン値が上がる時刻と決められた就寝時間が開いている子ほど、寝つくまでの時間が短く、睡眠の悩みがない傾向があった

寝つきが悪い子は「就寝時間が体内時計と合っていない」可能性が

この研究は14家族を対象とした小規模なリサーチなので、この結果を受けて「子供の体内時計が睡眠のトラブルに影響している」と結論づけるまでには至らないでしょう。

しかし、“体内時計が睡眠のカギを握っている”という大切なメッセージを送ってくれているのは確かです。

子どもが小さいうちは、通常は親が子供の就寝時間を定めるものですよね。

でもその設定時刻が、子供の体内時計(メラトニンの上昇タイミング)と大幅にズレてしまっていると、寝つくのに時間がかかるなどの睡眠問題へと発展するという可能性があります。

夜のテレビ視聴はメラトニン分泌を減らすので悪影響

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では、もし子供の体内時計が“夜22時に就寝”を告げていたとしたら、どうしたらいいでしょうか?

いくら体内時計は無視できないとはいえ、それをそのままにしておく必要もありませんし、だいいち従えませんよね。

体内時計は無視するべきではありませんが、整えるための調整努力は積極的にしていきましょう。

夜暗くなってからも、強い明かりにさらされると、メラトニンの分泌量が減ります。結果として、体内時計がうまく反応してくれず、寝つけないなどのトラブルに発展しがちになるというわけです。

強い光とは、室内の照明はもちろんですが、テレビなどのスクリーンの光も同じく刺激となります。

よく「寝る前にはテレビを見ない方がいい」と言われますが、それは番組の内容で興奮するからだけでなく、光によるホルモンへの作用もあります。

夕方以降、テレビを観るのは極力控える。これはまず取り入れたい工夫のひとつといえるでしょう。

体内時計づくりにはお昼寝も重要

現代の生活は、夜になっても昼間のような活動をすることが可能です。

つまり、簡単に体内時計を無視した生活を設定することができてしまうのです。そんな便利な現代だからこそ、体内時計を意識した生活リズムが大事であることが分かります。

この研究にたずさわったル・ブルジョワ氏は、2012年に行った2~3歳の子どもに関する研究において、子どもがお昼寝をきちんと取っていないときほど、

・不安感が多い

・楽しみや関心を示さない

・問題解決が苦手

などの傾向があることを示しました。

つまり、この年齢の子どもたちは、お昼寝も体内時計としてセットされているわけです。

お昼寝をしないことが常習化してしまうと、睡眠時間が足りていないことで、日常生活においても問題を抱えがちになる傾向があると示唆しています。

また、子どもの頃の睡眠トラブルは、その子の将来の情緒や行動の問題、学力への影響の予測要素とされていることからも、小さな頃からの対策が必要です。

やはり大切なのは、毎日の規則正しい生活リズム。体の声を聞き、自然の流れに従うという基本に立ち返って、子どもたちの睡眠をキープしてあげたいですね。

【参考・画像】

Dissonance Between Parent Selected Bedtimes and Young Children’s Circadian Physiology Influences Nighttime Settling Difficulties – Lebourgeois MK, Wright KP, Lebourgeois HB, et al.

※ Liderina , Kleber Cordeiro / Shutterstock

【著者略歴】

※ 佐藤めぐみ ・・・心理学がベースのポジティブ子育て『プラス思考育児メソッド』でママをサポートする『ポジカフェ』主宰。

ママ向けストレス診断、悩み相談、叱り方教室 『ポジカリ講座』 など育児コンサルタントとして活動中。著書は、『子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣』(あさ出版)『叱るときのイライラがなくなる! 子育て心理学のプロ 佐藤めぐみの「ポジカリ」メソッド』 (All About Books)〔Kindle版〕など。

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(2014年9月17日の記事を再掲載しています)

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