1年で96人が犠牲に…小児科医が語る「乳幼児突然死症候群」の実態

source:https://www.shutterstock.com/
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皆さんは、「乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)」というものをご存知でしょうか?

それまで元気にすくすく育っていた赤ちゃんがある日突然原因がわからないまま亡くなる……という、窒息などの事故とは異なる病気です。

今回は、小児科医である筆者が、このSIDSについてお話していきたいと思います。

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1年で96名の赤ちゃんが…!

厚生労働省の診断ガイドラインでは、「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群」となっており、主として睡眠中に発症するものです。

日本での発症頻度はおおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定されおり、症例も減少しているとされていますが、未だに年間100名余の赤ちゃんがこのSIDSにより命を落としています。

平成27年には、96名の赤ちゃんがSIDSで亡くなっています。

 

「原因が分からない」恐ろしさ

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SIDSの原因については、まだ、はっきりした事実はつかめていません。

しかし、色々な研究により、SIDSの発症に関係があると思われる事柄がいくつか分かってきました。

これらを“危険因子”と言いますが、うつ伏せ寝、親の喫煙などが代表的です。

危険因子によりSIDSの発症が3~4倍多くなること、またこれらを少なくすることで、発症を減少できることが報告されています。

 

今日からできる「SIDS」対策

(1)うつぶせ寝をさせない

SIDSは多くの場合、睡眠中に起こります。うつぶせ寝の赤ちゃんに発症頻度が高いことが調査で明らかになっています。

特別な病気などで、お医者さんにうつぶせ寝を勧められている場合以外は、あおむけに寝かせましょう。

また、赤ちゃんの顔の周りにタオルなどを置かない、マットは堅めのものにするなどは、窒息などの事故を防ぐ上でも重要です。

(2)たばこを吸わない

喫煙はSIDS発症の大きな危険因子です。

喫煙がなくなると、SIDS発症を50%近く減らせると言われています。

また、妊娠中の喫煙は、お腹の赤ちゃんの体重が増えないなど、悪い影響が出ます。

さらには、生まれてからの赤ちゃんの呼吸状態に影響が出ることもあります。妊婦さんや赤ちゃんの周りでの喫煙は絶対にやめましょう。

ママだけでなく、パパにもぜひ禁煙をすすめます。

(3)できる限りの母乳育児

母乳で育てられた赤ちゃんにSIDSの発症が少ないことが知られています。母乳は赤ちゃんやママにとって、他のメリットがたくさんあります。可能なかぎり、母乳で育てましょう。

いかがですか?

未だ原因がハッキリせず、100名余の赤ちゃんが犠牲になっているSIDS。

現在は、“データから分かること”からできる対策を講じるしかありませんが、1日でも早く謎が解けてほしいものですね。

 

【参考・画像】

※ 乳幼児突然死症候群(SIDS)について – 厚生労働省

※ Vadim Zakharishchev, Diana Taliun / shutterstock

 

【著者略歴】

※ 羽鳥幸恵・・・群馬県桐生市しむらクリニック院長。日本小児科学会認定専門医、日本小児栄養消化器肝臓学会認定医。群馬大学病院小児科、群馬県内の主要病院勤務を経て、平成27年11月、皮膚科専門医の実妹と共に小児科・皮膚科クリニック開業。女医プラス所属。

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(2017年1月14日の記事を再掲載しています)

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