<第1回>出産費用で9000ドル!? 四児の母が語る「海外出産奮闘記」~できちゃった婚・妊娠編~

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大学卒業後、まともに就職活動もせず、ふと見つけた広告に応募し採用された、現代美術ギャラリーで楽しく働く私に向かって、ある日母はこう言放ちました。

「あんたはきっと“いきおくれ”て、30過ぎで猫と一緒に1人暮らしするんでしょうね」と。

こんな根拠も脈絡もない“呪いの言葉”を吐かれるほど、若かりし頃の私は自由に、かつ刹那的に生きていたのです。

しかし、人生には時に天変地異の如き出来事が降り掛かります。25歳で出会った彼と、次の日からおつきあいをスタート。半年後に妊娠、入籍する事に!

さらにアメリカで出産することが、たった数ヶ月の間に、あれよあれよと言う間に決まったのでした。

今では4児の母となった筆者が、波乱万丈の海外出産奮闘記「できちゃった婚・妊娠編」をお送りします。

 

天変地異のできちゃった婚、「おめでた」と大喜びの彼

お付き合いすることになった彼は、アメリカの大学院を休学してインターンとして働いていました。

アメリカへ戻る日が近づくにつれ、「一緒には行けないね、どうしようか?」などと曖昧な空気が流れはじめた矢先、まさかの妊娠発覚。

「どうしよう!」と焦る私に向かって、彼は満面の笑みで「え?おめでた!?」と言ったのです。

「その言葉って、今使うものじゃないよね、多分……」と思いつつ、あまりに嬉しそうな彼を見てツッコめずにいた私なのでした。

 

9,000ドルの出産費用…。「不安要素ばかりのアメリカ」で出産するのか?

赤ちゃんの心音を確認して、命の存在が確固たるものになってから、2人で両親へ“妊娠と結婚の報告”をしました。

私の両親は、とてもまじめで古風な人たちです。びっくりしたり、悲しんだり、怒ったりと、ひとしきり感情を波立たせました。

一段落した後に私たちの事実を受け入れてくれましたが、そこで新たな問題が浮上します。

「赤ちゃんは、日本で産むの?アメリカで産むの?」

「学生の分際で……」とまでは口にしませんが、父の顔にはありありと「学生の分際で」と書いてあります。母も娘の出産は特別なようで、近くで産むことを希望しています。

 

一方の夫は……というと、「micaが安心できるように、micaが好きなように」というスタンス。

両親の気持ち、居心地の良いわが家と天秤にかけると、“アメリカでの新生活”はちょっとやそっとの勇気では飛び込めません。

しかも、アメリカは保険が高い、出産費用は桁違い。当時の金額で8,000-9,000ドルです。

それに「英語が通じなかったらどうする?」などなど、不安材料は挙げ始めたら、芋蔓式に出てきてキリがありません。

しかし私の心に迷いはありませんでした。

「もし可能なら、夫のそばで」

私の希望ひとつで、夫はアメリカの新生活へ向けて行動を開始しました。

 

家族をイラだたせる「できちゃった婚」、嫌味を言われる日々

のんびりしている妊婦の私にイライラした母が、結婚情報誌を投げつけたことは忘れられません。よほど腹に据えかねたのでしょう。

大慌てで結婚式を挙行した後も、私と彼はアメリカへ行く予定なので、日本の新居はありません。

すごすごと実家に帰るのがどこか間抜けで、誰もが“宙ぶらりん”なその状態を、快く思っていないのが分かりました。

当時のアメリカは、911の事件後から引き続き、ビザが大変下り難い状況だったのです。夫が懸命に奔走するも状況はなかなか進展せず、父はイラだち、母からは嫌味を言われ……。

そんな辛い状況でも赤ちゃんは全く問題なく、お腹はむくむくと大きくなってゆきました。

それは混沌とした中での一筋の希望のようでもあり、また、一貫して前向きだった、夫の姿勢に応えてくれているようでもありました。

 

まるで牢獄…。渡米妊婦を待ち受けていた「狭い座席、長いフライト」

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夫の奔走の甲斐あって無事ビザが下り、とうとう成田から出発です。

涙ぐみながらもニコニコして手を振る父母を背に、夫と手をつないで搭乗口へ。これから初めて2人で暮らすんだという事実がただただ嬉しく、楽しみな気持ちしかありませんでした。

しかし、妊娠8ヶ月の渡米は想像以上に過酷でした。ボストンまでは日本からの直行便が無く、どこかで乗り継ぎになります。

狭い座席、長いフライト。まるで牢獄に閉じ込められたような最低な気持ちで、ふと見下ろすと、ゾウの足のように醜く浮腫む足。

トランジットで降りた空港で、辛くて苦しくて涙が溢れる私の足を、無言でマッサージする夫。

2人きりであることを、心細くも心強くも感じた瞬間でした。

そして、降り立ったボストン・ローガン。美しいケンブリッジの街で、私たちの新婚生活は始まったのです。

 

★今回の教訓★

(1)妊娠中のフライトは余裕を持って計画すべき。

(2)アメリカのビザ取得は厳しいので、余裕を持って計画すべき。

(3)アメリカの出産費用は当時約8,000-9,000ドル。プライベートの保険しか無く、会社によってカバーする内容も異なるため、よく確認すること。

次回は、「夫とのアメリカ・マタニティライフ編」をお届けします。

 

【画像】

※ Syda Productions / @yume – PIXTA

【著者略歴】

※ mica・・・夫・姑・4人の子と共にシンガポール在住の子育てアドバイザー。暮らしニスタ、コラムラテ、阪急電鉄ブログでもコラムを執筆中。著者ブログにて、記事の裏話を更新しています!執筆依頼はブログよりどうぞ。

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(2016年6月7日の記事を再掲載しています)

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