【海外出産奮闘記#7】暴力的なまでにお腹すく私は“喰婦”…?「次女出産は焼肉の後で!」編

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大学卒業後、まともに就職活動もせず、ふと見つけた広告に応募し採用され、現代美術ギャラリーで楽しく働く私に向かって、ある日母はこう言放ちました。

「あんたはきっと“いきおくれ”て、30過ぎで猫と一緒に1人暮らしするんでしょうね」と……。

しかし、人生には時に天変地異の如き出来事が降り掛かります。25歳で出会った彼と、次の日からおつきあいをスタート。半年後に妊娠、入籍する事に!

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ドタバタの海外出産後、酷寒の地ボストンでの生活から、夫の就職を機に新天地カリフォルニアに住居を写した私たち一家。日本と比較し、街ゆく人皆が暖かい「アメリカの妊婦事情」についてお話した前回

今回は、「暴力的なまでの空腹感に苛まれた第二子出産」をお届けします。

 

■出産予定日に焼肉を堪能!? 暴力的な食欲に悩まされる「クープ(喰婦)」

ところでボストン時代、私は近所にあった大学の学生生協をよくウロウロしていました。生協って“COOP(コープ)”と読み書きしますが、ところにより“COOP(クープ)”って言うのですね。

両親や友人にメールを送る際、何かの話題で“COOP”と入力したある時、画面上に“喰婦”と出ました。

「“喰婦”(クープ)だって。かわいい!何かのキャラクターみたいじゃない?」とゲラゲラ笑いながら夫に報告したとき、わが家の失言王・夫からこんな言葉を頂きました。

―――「ふうん、面白いね。まるでmicaみたいだね」

と。そこからの私は“喰婦(クープ)”としての人生をしばらく生きる事になります。とにかく妊婦時代から産後、授乳中の女性というのはよく食べるし食い意地が張っているものです。クープという人種は、理不尽に暴力的にお腹が空くし、逆もまた然り(?)で、お腹が空いたクープは理不尽に暴力的になりがちです。(個人差あり)

次女を妊娠中にも、「焼き肉を食べに行きたい行きたい!」と駄々をこね、当時私の母(またもやお産扱いに来てくれていました)がハマりにハマっていた、韓国俳優の“ヨン様”御用達の焼き肉屋さんへ連れて行ってもらう調整をしたところ、そこを訪れる目処が立ったのは、なんと“出産予定日”!

「いい子だから、焼き肉食べてから産まれておいで」と祈る私の勝手すぎる言い分を、次女は健気に聞き分けてくれていました。

そんなわけで、破水からスタートした陣痛が来たのは、ちょうど焼き肉を堪能して皆が寝静まった深夜の事でした。

 

■陣痛の痛みを抱えながら、右往左往

「ほんとに?ほんとに陣痛?」と寝ぼけ眼で何度も確かめてくる夫を急き立て、ハイウェイを車で飛ばし20分、病院へ到着しました。が、しかしいつもなら目の前に立てば“ウイーン”と開いていた自動ドアが開かない。私たちは愕然としました。一体どうすれば……。

結論としては夜間用入り口から入るべきでしたが、前もって確認していなかった私たちは右往左往するハメに陥りました。大きなお腹と恥骨痛と陣痛を抱えて「よいしょ、こらしょ、アイタタタ」とかけ声のように階段を昇り降りする私たちはまるで、“迂闊”を絵に描いたよう。

そして深夜ですからもちろんお腹が空いています。

「産気づいた妊婦をこんなに迷わせるなんて……!」

私は準備不足の自分を棚に上げ、理不尽に苛立っていました。

 

■「デリバリー・ルーム」へ到着

出産は英語で“Delivery”と言います。ですので出産する部屋も“デリバリー・ルーム”。陣痛は何分間隔か、などなどと質問され、それから「これに着替えて」とペラッペラの入院着を渡されます。

私はこれが寒くて大嫌いだったので、ストレッチ性のコットンの下着をあらかじめ用意して、その下に着ました。「色々処置があるから、裸の上に着てほしいんだけど」とナースは不服そうでしたが、「これはこうして上に上げても落ちてこないから」などと説明して事無きを得ました。

クープは、自分の心地いい環境を作ることにどん欲なのです。

 

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