よかれのアレがNG!障がい児を出産したママが傷つく「励ましの言葉」とは

3月21日は、国連が2012年から国際デーの一つとして制定した『世界ダウン症デー』です。ダウン症は、染色体異常による障がいとされ、昨今の高齢妊娠の増加に伴い、ダウン症児を妊娠する女性が増えています。

今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者で、自身も自閉症の息子を育児中の立石美津子が“言ってはならない励ましの言葉”についてお話します。

 

■「子どもは親を選んで生まれてくる」とは思えない人がいる

障がいを持つ子を出産したママがいました。鬱になっているところへ、健常の子を持つママが励ますつもりでこう言いました。

「赤ちゃんはきっとあなたを選んで生まれてきたのよ。立派に育てられるママだからこそ、やってきた天使なのよ」

でも、相手はこの言葉をどう受け止めたでしょうか。

この言葉はよく耳にするものですし、落ち込んでいるママ友をみて良かれと思って口にしてしまったのでしょう。

でも、言われた側がどう受け止めたか、よく考えてましょう。

「どうして私を選んで生まれてきたの。出来るなら神様に選ばれたくなかった」と心で叫んでいるかもしれません。

ダウン症は受精卵の細胞分裂の過程で起きた突然変異によるものが主です。この世に生まれてくるかこないかは子どもの選択ではありません。さらに“親を選んでやってくる”わけでもありません。

妊娠したのはまぎれもなく親の選択なので、障害児を生んだ親は少なくとも「こんな子に産んでごめんね」と自分を責めています。

だから「きちんと育てられる人のところに生まれてくるんだよ」は傷口に塩を塗る言葉。さらに言われた側は 「責任を持って育てなさい」と責められているように感じています。

 

■障害がわかると中絶する人が9割

“出生前診断”で染色体異常がわかると97%が中絶しています。でも、同時に胎児に異常があると判明しても3%の人は中絶しないのです。

だから相当な覚悟で産む決心をした親に対して「ママを選んで生まれてきたのよ~」と軽々しく言わないほうがいいのです。

筆者も同じ経験をしました。子どもは知的障害のある自閉症。私が教育関係の仕事をしていること、特別支援学校の教員免許を持っていることを知っているあるママ友から次のように言われたことがあります。

「やっぱり、子どもは親を選んで生まれてくるのね。あなたを選んで△△君は生まれてきたのよ」と。

確かに筆者は長年、障害児教育にも携わってきました。でも他人の子どもと自分の子どもとでは訳が違います。子育ては仕事と割り切れないのです。

健常児であれば20歳になれば子育て終了なのに、障がい児の親は親亡き後のことを危惧しながら、一生関わっていかなくてはなりません。働けない我が子のために汗水垂らして働いて、お金もたくさん残しておかなくてはなりません。大きなものを背負いながら日常を送っているのです。

 

 ■私の寿命を“この子の寿命+1日”にして!

「障害児の行く末を案じて無理心中」という事件が時々あります。そんな時、「親のエゴだ!」「子どもには罪はないのにひどい親だ」と言う人がいます。

実際、子どもを殺す行動に出るのはやってはならない行為です。

でも、目の前にいる障害のある我が子を見て「この子を残して先に逝けない」と障害児を持つ親なら一度や二度そう思ったことが必ずあります。

そして共通の願いはこれです。

「神様、たった一つだけ願いを聞き入れてくださるのならお願いします。この子の寿命より1日長く私を生かしてください」

 

いかがでしたか。

その人がどう感じているかは当人でないとわかりません。それは障害以外の病気だっただり酷いアレルギーを持つ子のママに対しても同様です。

ママ友との関係性維持のためにかけた言葉、時には相手を大きく傷つけることもあることを頭の片隅に入れておきましょう。

そんな時は「ああ、きっと辛いんだろうな」と思って「辛いね。しんどいね」とたくさん共感してあげましょう。それだけで相手は救われますよ。

 

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【参考】

新出生前診断 染色体異常、確定者の97%が中絶 – 日本経済新聞・Web版(2014年3月20日)

立石美津子(2014)『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』(日本実業出版社)

【著者略歴】

立石美津子・・・専門家ライター。32歳で学習塾を起業。現在は保育園、幼稚園で指導しながら執筆・講演活動に奔走。自らは自閉症児の子育て中。著書に『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』

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