親が近くにいても全く気付かない!子どもの危険な「溺れ」サイン

親が近くにいても全く気付かない!子どもの危険な「溺れ」サイン

親が近くにいても全く気付かない!子どもの危険な「溺れ」サイン

夏本番も間近になり、海やプールで遊ぶ機会が増えてきました。暑い中で水遊びできて、子どもも大人も大はしゃぎですよね。

でも小さな子どもにとって、水遊びの危険は非常に大きなものです。

1~9歳の子供の死因で一番多いのが”不慮の事故”、その内訳で交通事故と並ぶトップが”溺死”なのです。なぜそんなに多いのでしょうか?

「事故が起きるのは親や周りの大人が油断したせい。うちは目を離さないから大丈夫」と思われるかもしれません。

が、米国のサイト『Slate』で、親から3mほどの距離で遊んでいた子どもが親にも気付かれずに溺死しそうになった、という恐ろしいケースが話題になっていました。

この『Slate』によれば、子ども(というか人間)が溺れるときは近くで人が見ていてもまったく気づかないことが多いそうです。

 

■ライフガードの救助で初めて子どもが溺れていることを認識

『Slate』でとりあげられたケースでは、9歳の少女が両親から3mほど離れたプールの中で遊んでいて溺れてしまいました。

でも、両親はそれにまったく気づかず、ライフガードがものすごい勢いで向かってきても「大丈夫よ~!」と追い払おうとしていたのです!

なぜ気付かなかったかというと、溺れた少女がバシャバシャと音を立てるでもなく、「助けて!」と声をあげるでもなかったから。

それは特殊なケースかというと、実は溺れる人の大半が静かに溺れ、周りの人に気づかれないまま沈んでいってしまうそうなのです……。

幸いこの少女のケースでは、ライフガードが溺れている人の特徴を理解していたのですぐに発見され、無事救助されました。では、その”溺れている人”にはどんな特徴があるんでしょうか?

 

■溺れている人は声を出して助けを求めることができない!

テレビや映画に出てくる”溺れている人”は「助けて!」と大声で叫んだり、水面でバシャバシャもがいたりしますよね。しかし、そんなわかりやすい溺れ方は、普通ほとんど不可能だそうです。

『Slate』では、ライフガードとして長年経験を積んだフランチェスコ A.ピア博士がまとめた「本能的沈溺反応(Instinctive Drowning Response)」とするものを、次のように紹介しています。

(1)特殊な状況でない限り、溺れている人は心理的に助けを呼べる状態ではない。

呼吸機関はまず呼吸をするためにできているので、声を出すことは二次的な、または付随的な機能でしかない。声を出す前に呼吸する必要がある。

(2)溺れる人の口は、水面に浮かんでは沈むを繰り返す。

溺れてしまうと”息を吐いて、吸って、助けを求める”のに十分な時間水面から口を出していられない。口が水面から出たらまず息を吐いて素早く吸い込むが、その間に水面下にまた沈んでしまうからだ。

(3)溺れている人は、手を振って助けを求めることもできない。

彼らは本能的に腕を横に上げ、水面を押さえるような動作をする。水面を押し付けることで少しでも体を浮き上がらせ、口を水面から出して息をしようとしているのだ。

(4)本能的沈溺反応の間、溺れている人は自分で腕の動きをコントロールできない。

水面でもがいている人がその動きを自ら止めて助けを求めて手を振るとか、救命士に向かって移動するとか、救命具に手を伸ばすといった動作をするのは心理的に不可能である。

(5)本能的沈溺反応の最初から最後まで、溺れている人の体は水面に対して垂直で、体を支えるためのキックはしなくなる。

経験豊富なライフガードに救助されない限り、溺れる人が水面にとどまれるのは20秒~60秒の間で、その後は完全に沈んでしまう。

これを読むと、想像以上に”溺れている人”は見分けにくいことがわかりますね。

 

■溺れている子どもは”ただ犬かき”をしてるように見える

溺れてしまった人は「キャ~!」とか叫んだりもがいたりするのではなく、むしろ急に静かになって周りの人が気づかないうちに沈んでしまうんですね。

下の動画の00:40~に、実際に溺れている男の子が救助される場面があります。たしかに一見するとただ浮き沈みして遊んでいるように見えて、周りの人も恐ろしいほど気づいていません。

この動画でも前出のピア博士が解説していますが、小さい子どもが溺れると”犬かき”しているように見えるそうです。

子どもをプールや海に連れて行くときは、ただ子どもから目を離さないだけでなく、急に声がしなくなったり、上の動画のような状態になっていないかどうかも常に気を付けている必要がありますね。

 

【参考】

Drowning Doesn’t Look Like Drowning - Slate

※ Drowning signs aren’t like the movies - YouTube

小児科 – 小児救急の知識 – - 仙台市立病院

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