妊活で休職・退職ってありなの?不妊治療の現実

妊活で休職・退職ってありなの?不妊治療の現実

妊活で休職・退職ってありなの?不妊治療の現実

先日、お笑いトリオ・森三中の大島美幸さんが”妊活”のために今年5月から休職されると発表されました。応援する声も多い中で、「妊活って休まなきゃいけないほど大変なの?」といった疑問の声も見かけます。

筆者も不妊治療経験者なので、実際何がどう負担なのかを詳しくお伝えします。

 

■始めると約3週間スケジュールが読めなくなる

一口に妊活といっても、それは”妊娠を目指して規則正しい生活を心がける”という意味から、”病院に通い不妊治療を受ける”という意味まで幅広く使われています。また”不妊治療”にもいくつかの種類があります(詳しくは後述します)。

不妊治療の中でも”体外受精”という手法では、注射や超音波検査・血液検査で2週間ほどほぼ連日の通院と、卵子の採取や受精卵の注入のための手術も必要になります。

そしてその日程は月経や卵子の育ち具合といった体のサイクルを見ながら随時決められます。働く人にとって、2週間ほども連日での通院は大きな負担です。

しかも日程はたとえば「来月の通院日は1日~10日で、12日と14日に手術」のように前もって決められるわけではなく、実際は月経になった日が治療の起点になるので、月経が来るまではスケジュールが読めなくなります。

また月経のあとは注射での投薬と超音波検査、血液検査をするのですが、検査の日程は卵子の状況を見ながら決まります。

これも「月経開始から5日目・7日目・9日目……」といった形で決められると楽なのですが、実際はたとえば「5日目の結果を見て次は8日目になり、8日目の結果を見て次は10日目になり……」という具合です。

卵子の採取手術と受精卵の注入手術の日程も、検査で卵子の成長の様子を見て決まります。つまり通院が始まってからも、いつ何をするのかはっきりわからないまま進むのです。

月経周期は安定している人でも1~2日程度は前後することを考えると、”通院や手術が入る可能性のある日”が3週間ほど続くことになります。

 

■たくさん人と関わる仕事の人は始めると大変

となると、社内外での会議や商談など、他の人とのスケジュール調整が難しくなります。ドタキャンを避けるには、通院が入る可能性のある日・時間帯は埋まっているものとしなくてはなりません。

つまり3週間ほど連続で半日休暇を宣言するようなものです。複数人で進める仕事が多い人であれば、「他の人はこの日の午前中しか空いていないが、自分はその時間帯に通院の可能性がある」といった状況が起こってきます。

また通院時間は病院によって決まっていて、たとえば「注射は午前9時~12時にしか受け付けない」という病院に通う場合は一般的な始業時間までに出社できなくなります。場合によっては、有給休暇を使いきっても足りない状態になるかもしれません。

しかも不妊治療が1回で成功すればそんな3週間も1回で終わりますが、初回で成功する可能性はむしろ低いです。2回、3回と続けていれば、「休みがちな人」と見られてしまうこともあります。

また不妊治療中であることを周りに伝えている場合、治療をしても成果が出ていないことを知られるのが辛くなってくるかもしれません。

さらに、体外受精の手術をしたあとはめでたく妊娠している可能性もあります。通院中もそうですが、特に妊娠した後は、過度な残業や長時間のフライト、立ち仕事や強度の肉体労働など、体に負担のかかることはなるべく避けたいものです。

森三中の大島さんがどういった意味での”妊活”をされているのかはわかりませんが、「1年くらいをめどに休業、その後もわからない」とされています。

もし体外受精も視野に入れているのなら、TVのスタッフや他のメンバーなど多くの人との協力が必要な仕事、それも体を張った仕事を、今までと同じようにするのは難しいと考えられたのでしょう。

 

■なぜこんなに大変なのに行おうとするのか

上で不妊治療にはいくつか種類があると書きましたが、その種類とは大きく分けてタイミング法、人工授精、体外受精です。基本的にこの順番で、かかる手間もお金も大きくなっていきます。

タイミング法は、排卵期の妊娠しやすいタイミングで性交できるよう指導を受けるもので、治療ではなく指導であるともいわれます。

タイミング法より一歩進んだものが人工授精です。精製した精子を排卵期に子宮に注入する手術をして、性交よりも妊娠しやすい状態を作ります。

人工授精の場合も、通院回数は少ないものの、月経を起点に超音波検査や血液検査があり、手術日程も直前までわからないのは体外受精と同じです。費用は1回数万円程度かかります。

タイミング法も人工授精も効果がない場合、または避妊していない夫婦なのに2年以上妊娠していない場合は、体外受精を勧められます。

体外受精では、女性から卵子を手術で取り出してそこに男性の精子をふりかけて受精させ、受精卵をまた女性の子宮に戻す手術をします。

卵子を取り出す前には卵子を育てるための投薬(多くは注射)を10日ほど行い、卵子が十分育ったことを超音波検査で確認できたら排卵を起こすための注射を打ちます。

費用は1回10数万円~高いところでは70万円ほどの病院もあるそうです。体外受精での妊娠率は年齢などの条件によって大きく変わりますが、大まかには20~40%と言われています。

つまり人工授精で成果の出なかった人でも、体外受精をすれば20~40%の確率で子供を授かることができるということです。実際、現在生まれる子供のうち40人に1人が体外受精によって生まれています。

体外受精でも結果が出ない場合、第三者から精子や卵子の提供を受ける、代理出産などの方法もありますが、日本では一般的ではありません。

よって体外受精は、通院負担や金銭負担が大きいとはいえ、事実上妊娠のための最後のよりどころとなっているのです。

 

うまく仕事と両立できた人がやっていたこと

実は筆者自身、体外受精の治療を受けるためにそれまでの職場を1ヵ月間休職し、そのときの治療で成果が出なかったのを機に退職を決めてしまいました。

その後幸いにも無事子供を授かることができたので全体的には良かったのですが、必ずしも会社を辞める必要はなかったのかもしれません。

実際に忙しく仕事をしながらも体外受精をしていた友人たちの話を聞くと、仕事と治療を両立させるにはいくつかポイントがあるようです。

まず、上司など周りの重要な人に不妊治療中(または何らかの事情で通院中)であることを伝えて、営業時間中にときどき外出したり、間に合わなくなったりするのを理解してもらうことです。

その際、単に「抜けます」というのではなくて、その分カバーする方法も考えて提案するのが大事です。

また病院選びにおいて、治療実績や医師の評判だけでなく、なるべく仕事の時間帯に通院せずに済むような配慮のある病院を選ぶことも重要です。

たとえば出勤前または退勤後に注射や検査を受け付けてくれる、予約制で待ち時間が短い、職場や自宅から近い、注射を自宅でもできるよう処方・指導してくれる(これによって注射のための通院が不要になる)、といった病院です。

ただ、これらの工夫はあくまで負担を”軽減”するだけなので、頻繁な通院が必要な状況には変わりありません。またあまりに忙しく拘束時間の長い仕事だと、こうした工夫の余地も見出しにくいでしょう。

 

ちなみに、上記のように仕事をしながら不妊治療に取り組む人は、職場の他の人に迷惑をかけまいといろいろな努力をしています。熟慮の結果、休職や退職を選ぶ場合もありえます。

そんな努力や決断を周りの人が理解してくれるのか、または「個人の勝手」とあしらうかによって、本人にかかってくるストレスは大きく違います。

とはいえ、そもそも不妊治療中であることを公表する人はあまり多くはないかもしれません。でも、もし公にしながら取り組んでいる人がいれば、そこには多大な手間とお金と時間がかかり、配慮がめぐらされていることを想像したいものです。

こういった知識が広がって、不妊の人が治療しやすい環境ができ、ひいては1人でも多くの人が希望通りにお子さんを授かれることを心から願います。

 

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