幼児期ならカンタン?実はネイティブも「苦労している」英語習得の現実とは

秦まゆ子

子供

日本でも盛んな幼児期からの英語教育ですが、小さな子供は“勉強しなくても”自然に身に付いてしまうという先入観があるママやパパもいるのではないでしょうか。

でも、それは間違い。実は、英語圏の子ども達も小さい頃に間違えながら一つひとつ学習し、上達していくんだそうです。では、ネイティブの子ども達はどのように英語を勉強するのか、気になりますよね!

そこで、インターナショナルスクールで教鞭をとるアメリカ人の先生や、英語圏で英語を教えたことのある先生の話をもとに、“日本の家庭でも参考にしたい”ネイティブの子ども達の英語学習のポイントをご紹介します。

 

■最初はやはり「発音」から!

言語学では、母国語の音声の聞き分け能力は1歳までには完成しているとも言われますが、実は生まれたときから英語を聞いて育つネイティブの子供たちでも、アルファベットを習う際に”発音”をしっかり教えられるそうです。

幼稚園頃から『Phonics(フォニックス)』という発音の授業で、「l」、「r」、「th」、「v」、「f」など筆頭に、唇と舌の形を駆使して正しい発音の方法を意識的に学ぶのです。

筆者の娘が通うインターナショナルスクールのカリキュラムを見てみても、幼稚園の頃からPhonicsの授業に多くの時間が割かれ、アルファベットの発音の法則をきっちりと学んでいました。その効果は大きく、新しい単語に出会っても、綴りから正しい音を類推して発音するクセがつくようになります。

日本人は、子どものうちは“耳が慣れれば無意識に発音も身につくもの”という意識がありますが、英語の場合は、子供の頃から発音を意識的に勉強することが大切なようですね。

 

■“リズム重視”でボキャブラリーを増やす!

言葉を増やすために絵本の読み聞かせが大切なのはどこの国も同じようです。特に、新しい単語は“絵と一緒に”覚えると効率が良いらしく、『Picture Dictionary』もよく利用されています。

日本語と比べ、英語の言葉の学習で面白いのは、韻を踏んだり音のリズムやテンポ感をたくさん取り入れていることではないでしょうか。

幼稚園でPhonicsに次いで習うのが、3文字のアルファベットから成る「three letter words」ですが、例えば、「cat- pat-rat」「can-pan-fan」というように語末の音に注目したグループごとに単語の学習を展開したりするのです。 語末の韻を踏む”ライミング”の他、「Santa saves soft snow」のように語頭の音を合わせる”アリタレーション”を意識した詩や早口言葉が子ども達の教材にもたくさん使われています。

そういえばマザーグースや童謡にも、韻を踏んだり音のリズム遊びが盛り込まれているものが多いですよね。日本の家庭で英語教育をする際にも、音やリズムを意識すると、より楽しく耳から単語が入ってくるのではないでしょうか。

 

■ネイティブにも“間違えやすい”単語や文法がある!

日本人にとって難しいと感じる英語の単語や文法には、実はネイティブの子供にとっても間違えやすいものが多いのだそう。

日本の語学学校やアメリカのプリスクールで英語を教えた経験があるシグリッド・H・塩谷さんの著書『アメリカの子供はどう英語を覚えるか』の中で、日本人とアメリカの子供の覚え方/間違え方の特徴を比較しながら、ネイティブの子供が英語を覚える過程についてが書かれています。

●ネイティブでも難しいのはコレ!

例えば、過去形や未来形、仮定法のような文法はネイティブの子供でも難しく、使いこなせるようになるのに時間がかかるのだそうです。そして「Do you mind……?」といった否定疑問文の表現や“可算名詞”と“不可算名詞”、“bring”と“take”の違いなど、子供に理解しづらい概念や、“play”“get”“make”のように意味や使い方に幅のある単語などは、ネイティブの子供でも混乱するのだそうです。

●日本人は苦労しちゃうのはコレ!

一方、前置詞や熟語、形容詞の語順などのように、日本人は苦労するけれどネイティブの子供達には簡単なものもあるようです。フレーズの中で覚えてしまうからなのでしょうか。

ネイティブの子供達も間違いを繰り返す中で、親や周りの大人が言い直してあげたり、意味の広い単語は身近に目にする使い方から次第に幅を広げながら覚えていくのだとか。そして、小学生に上がる頃には基本的な英文法は問題なく使いこなせるようになっていくのだそうです。

 

英語がネイティブの子供であっても、“自然に見聞きして覚える”部分と、“きちんと大人が教えてあげるべき”部分があることがわかりますね。

 

日本の家庭で子どもと英語に親しむ場合にも、以上のようなポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。親が英語が得意ではなくても大丈夫。意識するだけで教材選びから変わってくると思いますよ。

 

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【参考】

シグリッド・H・塩谷(2004)『アメリカの子供はどう英語を覚えるか』(祥伝社黄金文庫)

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