お腹の赤ちゃんに「障害があったら…」と不安になりませんか?

立石美津子

プレママ

「出生前診断」受診経験者がこれから受ける女性に伝えたいこと

新しい出生前診断の是非が今、話題になっています。

これは、妊婦の血液を採血し、お腹の子の障害の有無について調べる検査。単に採血するという気軽な検査ですが、出た結果により重い決断を迫られる場合もあります。

そこで今日は、『小学校に入る前に親がやってはならない115のこと』の著者・立石美津子が問題提起をしたいと思います。

 

■出生前診断の問題点2つ

「お腹の赤ちゃんにどんな障害があったとしても受け入れるつもり」それならば、そもそも、この検査は受けないはずです。

この検査を受けること自体が「赤ちゃんに何かが見つかれば中絶する選択肢を選ぶ検査である」ということをきちんと知っておく必要があります。

産婦人科医は、「お腹の子が健康な子かどうか、ママは心配。だから、お腹の子が元気であることを証明し、その後の妊娠期間を安定して送ってもらう」と言います。

さらに、「万が一、お腹の赤ちゃんに障害があるとわかった場合は出産後の育て方について十分、考えることができる」とも言います。

でも、結果が黒と出た場合、90%が人工中絶をする現実……。医師の言う「育て方を考える」なんて人は、実質1割にも満たないということ。だから、この検査は固い決心がなければ受けてはいけないのです。

また、もう一つ問題点があります。

それは、星の数ほどある障害の中の一部しか判明しないということ。全ての障害や病気がわかる診断ではないのです。

出産時のトラブルで脳性麻痺になる、高熱、病気、事故などで障害を持つ、という可能性もあります。よって、”染色体異常以外の障害であれば受け入れて育てる”ということを肝に銘じなければなりません。

筆者も羊水検査を受け安心して出産しましたが、その2年後、子どもが自閉症であることが判明しました。出生前診断ではお腹にいる赤ちゃんが自閉症かどうかはわからないのです。

 

■条件付きの愛は絶対NG

染色体異常が見つかっても、親の意思で命の選択をしていいものか迷いますよね。どんな選択をするかは、その人の価値観や考え方によると思います。

ただ、一つだけ声を大にして言いたいのは、”条件付きの愛”はいけないということ。

そもそも、子どもを育てていく過程で、予想外のことがたくさん起こります。例えば、成長してから非行に走ったり、病気になったり、ということもあるでしょう。

そんなとき、「こういう子は受け入れない。こういう子だったら受け入れる」「期待通りに育てば愛してやろう」といった姿勢で接するのは避けてほしいのです。

親がこういった態度では、子どもは「親の期待に沿っていい子にしてなければ愛されなくなってしまう」といった恐怖を抱きながらずっと生きていくことになります。

 

子どもに対して、「お前は今のお前のまんまでいい。あるがままでいい」と言える。これこそが、見返りを求めない真実の愛ではないでしょうか。

上記の通り、出生前診断については多くの問題点があります。採血するだけでよい簡単な検査ですが、深く考えて受けるかどうかを決めるようにしましょう。

 

【著者略歴】

※ 立石美津子・・・1961年大阪市生まれ。聖心女子大学在学中、幼稚園教諭・小学校教諭免許を取得、佛教大学にて特別支援学校教諭許取得後、障害児教育に携わる。32歳で株式会社パワーキッズ(教室名:エンピツらんど)を起業。

現在、教室に3歳~小学校3年生まで7,500名の生徒が通う。講演家・作家・自閉症児の子どもを持つ1児の母。

著書に『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』(中経出版)、『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』(あさ出版)、『はずれ先生にあたったとき読む本』(青春出版社)がある。

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