実は世界で実践中!これまでの常識を覆す「おむつなし育児」

柳原佳恵

子供

実は世界で実践中!これまでの常識を覆す「おむつなし育児」

赤ちゃんはおむつをするもの。

だから何の疑いもなく、赤ちゃんにおむつを使いますよね。でもそれって本当に当たり前なのでしょうか?

みなさんは”おむつなし育児”をご存知ですか? 画期的に聞こえるこの育児法、実は目新しいものではなく、かつての日本で行われていたり、今でも世界中で実践されているのです。

今回は”おむつなし育児”について、『おむつなし育児研究』所長の和田知代さんにお話を伺いましたので、以下ご紹介いたします!

 

■”おむつなし育児”って一体なぁに?

おむつなし育児とは、おむつの中でおしっこやうんちをすることを当たり前にしない育児法のことをいいます。なるべくおむつの外でさせるようにすることで、赤ちゃんに気持ちよい排泄を導いてあげるのです。

本来おしりが濡れていたり、うんちがついていれば、気持ちが悪いはず。しかし現代の紙おむつは吸収力が高いので、逆にそれが仇になり、赤ちゃんは気持ち悪さに慣れてしまいやすいのです。

従って、おむつなし育児はできるだけ赤ちゃんが気持ちよく過ごすための方法であり、間違えやすいですが、いわゆるトイレトレーニングとは異なります。

というのは、おむつを外すことが目的ではないからです。しかし、おむつが外れやすい傾向はあるようですよ。

 

■おむつを全く使わないわけではない

「おむつを使わないとなると、部屋や床が毎回汚れて大変なのでは……?」と思いますよね。

ご安心ください!

おむつなし育児は赤ちゃんの排泄の気配やタイミングを見計らって、なるべくおむつの外でさせてあげるようにするだけなので、おむつを全く使わないわけではありません。

普段はおむつをしていて、「しそうかな?」と思ったときにはずし、おまるやトイレにささげる(だっこして排泄しやすい体勢にすること)だけで大丈夫。

実は世界で実践中!これまでの常識を覆す「おむつなし育児」

実は世界で実践中!これまでの常識を覆す「おむつなし育児」

また、布おむつのほうが排泄時の気持ち悪さがわかりやすいようですが、布を使わなければいけないというルールもありません。

ママの余裕や外出などを考慮して、紙おむつでもよいそうです。ハードルはそんなに高くなさそうですね。

 

■むかしは一般的だった”おむつなし”

おむつなし育児は新しいものではありません。かつて日本でも行われていた育児法なのです。

昭和12年に発行された雑誌『主婦之友』には「おむつを用ひないで済む赤ちゃんの育て方」が掲載されています。布おむつしかなかった当時、洗う手間を考えると、おむつの外で排泄させるほうが簡単だったのでしょう。

また、いまでも地球上の約半分がおむつなし育児を実践しています。アフリカ、アジア、ラテンアメリカなど、少なくとも75の経済発展が遅れているといわれる国・地域で行われているそうです。

考えてみれば、紙おむつは先進国だけのものですよね。利便性を追求した結果、赤ちゃんに気持ち悪さを習慣化させてしまうという状況が生み出されているのかもしれません。

 

■始めるタイミングはいつでもOK

始める年齢に決まりはありません。早く始めるほどおむつをトイレとして使うことが習慣化せずスムーズなようですが、1歳や2歳など、月齢が進んでからでも大丈夫。「意味がないかしら?」などと思わず、トライしてみてください。

新生児から始められますが、産後1~2ヶ月はママの身体の回復に集中して、落ち着いたころでも全く遅くないそうですよ。

 

■排泄サインを見極める簡単な方法

ここで1つ大きな疑問が。どうやって排泄前のサインを見極めるのでしょうか?

赤ちゃんが排泄したいとき、その子なりのしぐさやタイミングがあります。

まずは我が子のしぐさを観察してみましょう。何かパターンが掴めればしめたもの!わかりにくい場合は、よくある排泄のタイミング(寝起きなど)でトライすることもできます。

なかなかうまくいかなくても焦ることはありません。なぜなら、この観察をとおしてママが赤ちゃんに気持ちを向けていること自体が、赤ちゃんにとって安心する幸せな時間になり、それこそ”おむつなし育児”の真髄なのです。

 

■気合いを入れすぎず、ゆるりと構えよ!

ただでさえ忙しい毎日。余裕がないから難しそう……と負担を感じるママも少なからずいるでしょう。

それなら自分にあったペースで進めればOK。毎回おむつの外で、と気を張らず、1日1回、1週間に数回など、ゆるく構えて問題ありません。気持ちに余裕のないときはお休みすればいいとのこと。

排泄を通して赤ちゃんと向き合い、楽しい時間をすごすことが第一優先です。

筆者もつい日常の煩雑なことに追われ、「赤ちゃんに気持ちを向ける時間が少ないな」と日々感じていたので、コミュニケーションの時間を増やすよいきっかけになりそうです。

 

いかがでしたか? おむつなし育児をすることで、「赤ちゃんの機嫌がよくなった」というママたちの声が多く聞かれるそうです。

生理的な面で赤ちゃんを気持ちよくさせてあげることはもちろん、ママが赤ちゃんに向き合うことで愛がしっかり伝わり、安心するからですね。

人生でとても短く貴重な赤ちゃんとの時間に丁寧に向き合い、存分に楽しむことができる、おむつなし育児。関連書籍も多く出ているので、気になる人は詳しく調べてみては?

 

【取材協力】

※ 和田知代・・・名古屋大学大学院にて修士号取得。保育園にて保育士として勤務後、国際協力の分野で、様々な発展途上国において、母子の健康を改善する事業に従事。

現在は、国際協力のかたわら、『おむつなし育児研究所』所長・『みらい子育て研究所』代表として、日本国内の育児支援事業に従事。

訳書『おむつなし育児』(柏書房)、共著『赤ちゃんにおむつはいらない』(勁草書房)『五感を育てるおむつなし育児』(主婦の友社)

 

【参考】

三砂ちずる(2013)『五感を育てるおむつなし育児』 主婦の友社

クリスティン・グロスロー(2009)『おむつなし育児』 柏書房

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