日本の教育ママが優しく思える!シンガポールの過酷な教育戦争

舞スーリ

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日本の教育ママが優しく思える!シンガポールの過酷な教育戦争

シンガポールって、きれいで観光がしやすいところですが、実は猛烈に教育熱心な国であることを知っていますか?

東京23区ほどの大きさしかないシンガポールは、資源が乏しいため、”国の成長には人材こそが資源”と政府が考えて、エリート育成教育に力を入れています。

その結果、シンガポールのローカル校で学んだ子どもたちが、世界でトップクラスの学力を誇るまでになっています。実際に、国際学習到達度調査という65カ国で15歳の子どもを対象にした学力テストの最新結果では、日本、イギリス、アメリカを差し置いて、なんとシンガポールは世界第3位!

それを受けて、中国から母親が子どもを連れてシンガポール留学をする”スタディママ”が流行語になるなど、今や世界中の教育ママの熱い視線が注がれる国となったのです!

脱・ゆとり教育が方針となった日本でも、教育熱心なママはまだ多いですよね。でも、このシンガポールのママたちから見たら、鼻で笑われてしまうかも……!

それが思わず納得できそうな”驚くべき教育事情”について、過去にシンガポール在住歴3年の筆者がレポートします!

 

■小学校以前に始まる受験戦争!

日本の教育ママが優しく思える!シンガポールの過酷な教育戦争

なんと、子どもの人生最大の関門が、小学校6年生で早くもやって来てしまいます。

それは『PSLE』という学力試験で、結果によって子どもの能力に応じた中学校に振り分けられてしまうのです。下位になると、最悪小学生にして留年というケースも!

その後も、中学と高校の卒業時に能力別コースに分けるための試験があり、”エリートか、そうでないか”に振り分けられてしまいます。

 

■幼稚園で進学塾に通わせる!

シンガポールでは幼稚園から教育を始めるので、幼いうちから競争意識が芽生えます。日本と違って、幼稚園でアルファベット、足し算などすでに本格的な勉強をするのが当たり前!

多国籍のため、バイリンガルが当たり前なシンガポールでは、例えば3、4歳で英語や中国語の塾に通わせることも……。

 

■真のエリートだけが大学へ!

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シンガポールの大学進学率は、厳しい競争に勝ち抜いた約25%で、日本は約50%です。理由は、シンガポールには大学が4校しかないため競争が激化することが一つ。

また、小学校から繰り返す振り分け試験の結果、最も優秀な子どもだけが大学に進める仕組みとなっているためです。めでたく大学進学できた子どもは、有名企業に就職できるなど、将来が約束されます。

でも、例えば小学6年の試験でエリートコースから外れ、中学の卒業試験でも下位となった場合には、技能専門学校で調理などの技術系、接客系の職業訓練を受けることに。

このように、幼少期の学力試験の成績によって、将来の職業がはっきり変わってしまうのです。

 

■教育のために退職しちゃう!

日本の教育ママが優しく思える!シンガポールの過酷な教育戦争

シンガポール女性の最も多い退職理由が、なんと”子どもの教育のため”です。

1975年に女性の社会参加奨励政策がとられたため、男女の格差なく働けるので、女性の就業率が日本より10%以上高い現状となっています。

また、日本にはないナニー(乳母)制度や、家事・育児に協力的なシンガポール人の夫、夕方まであいている託児所、祖父母が子どもの面倒を見る伝統があるなどの理由から、女性が出産を機に退職しなくてすむ環境も整っています。

しかし、そうやってエリート街道を進んできた女性たちでも、子どもの受験戦争の激しさから、「教育に専念したい」と小学校の選抜試験を前に退職してしまうのです……。

 

■子どものヘッドハンティングまで!

小学3年生を対象に、飛び抜けた才能のある子どもを数人発掘し、超エリートに育てるためのヘッドハンティングがあります。

それは1984年に始まった『ギフティド・エデュケーションプログラム』と呼ばれているもの。約10万人に3人の子どもが、特別な才能を持っているとか!

これに選ばれると、超エリートになるべく、一人ひとりカスタマイズされた教育プログラムを受けることができます。

エリートの可能性を秘めた子どもの条件は、”並外れた記憶力がある”などの他に、”正義感が強い”や”思いやりが深い”など。勉強と関係のない情緒面も考慮し、”エリート・ハンター”が選抜します。

シンガポールの教育ママたちは、自分の子どもが選ばれるように、高額な塾に通わせることも……!

 

以上になりますが、小学生で一生が決まる試験があるなんて、「親子にとって、超ストレスフルだ」とビックリしませんか?

東大並みの難関と言われるシンガポール国立大学出身の元同僚が「学業での成功が、人生での成功となるから、勉強するしかなかった」と言っていました。

「海外の大学に進学して視野が広がった」という知人もいて、子どもを海外の大学に出す親も、最近は増えてきているとか。

でも、詰め込み教育なのに日本より自殺率が低かったり、タブレット教育をいち早く取り入れたりと、見習うことが多い教育先進国であることに変わりはありません。

シンガポールの教育に関するニュースを目にしたら、ぜひこれからも注目してみてくださいね!

 

【参考】

※ Gifted Education Programme - Ministry of Education, Singapore

シンガポール人はみんなが「教育ママ」だった!? 東京23区ほどの国土で激化するエリート教育の凄み - ダイヤモンド・オンライン

女性活躍推進のヒントをシンガポールに求めて(番外編) - 株式会社HRアドバンテージ

 

【画像協力】

※ デビッド・カスティージョ・ドミニチ / FreeDigitalPhotos.net(担当写真:[カバー])

※ ポトウィザード / FreeDigitalPhotos.net (担当写真:[■小学校以前に始まる受験戦争!])

※ シッパコーン / FreeDigitalPhotos.net (担当写真:[■真のエリートだけが大学へ!])

※ナイポング / FreeDigitalPhotos.net (担当写真:[■教育のために退職しちゃう!])

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