子どもの心が歪むので励まし目的でも「使わない方がいい言葉」

立石美津子

子供

子どもの心が歪むので励まし目的でも「使わない方がいい言葉」

子どもが転んで、ワーワー泣いたとき、あなたはどんな声をかけていますか? 「それくらいで泣かない!」「痛くない、痛くない!」「大声出しちゃダメ!」と言っていませんか?

また、子どもが朝、「幼稚園に行きたくない」とぐずったとき、「”行かない”なんでダメでしょ!」「お友達はみんな行っているのよ!」と叱っていませんか? もしくは「幼稚園で誰かにいじめられているの? お母さんが先生に聞いてあげようか?」と原因を探ろうとしていませんか?

子どもを励ますつもりで口から出た言葉。けれども子どもの身になって、ちょっと別の言葉をつかってみましょう。

『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』の著者の立石美津子が、間違った励まし言葉についてお話しします。

 

■精神科医は絶対に励ましの言葉を使わない

まず、子どもを励ます気持ちでかけている言葉を本人はどう感じているでしょうか?

わかりやすくするために、大人に置き換えて考えてみましょう。あなたは悩みごとがあって友人に相談したとき、「そんなことないよ」「思い込みが激しいんだよ」「これからはきっと良いことがあるよ」と励ましてもらったら、もやもやしませんか?

精神科医は、鬱病の患者に絶対に次の言葉をかけません。これらは、鬱病患者を抱えている家族もかけてはならないNGワードです。

(1)元気を出して

(2)頑張って

(3)世の中にはあなたよりもっと困っている人がいるのよ

(4)誰でも落ち込むことはある

こんなことを言われると、「誰も自分の辛い気持なんかわかってくれない」と感じ、自殺の引き金になることもあるのです。カウンセラー、心理療法士なども自分の価値観を押し付けることなく、あくまでも相手の身になって話を聞きます。

それも、「はい、そうですね」と相槌を打つだけでなく「辛いんですね」「困っているのですね」「落ち込んでしまうんですね」と相手が発した言葉をオウム返しします。

あなたも友人に相談したとき「そう、辛いんだ。私も同じ状況だったらそう感じるかもしれない」と共感してくれた方が、絶対に心が安らぎますよね。

 

■励ます言葉を使う前に感情を受け止めよう

子どもが転んで痛いor仲間外れにされて悲しいときは、胸に飛び込んできた子どもを抱き締めて、感情をそのまんま受け止めてやりましょう。そして「痛いよね」「悲しいよね」「辛いよね」と言ってください。

「強い人間に育ってほしい」という気持ちで、「弱音を吐くな!」「すぐに泣くな!」とつい言いたくなりますが子どもにとってお母さんは、どんな時も自分を守ってくれるオアシスです。不安なとき、怖いときは丸ごと受け止めて欲しいと思っています。

ところが、いきなり「弱虫ね!」「こんなもん怖くないでしょ!」と言われたら頼るところがなくなってしまいます。そして、湧き上がる感情を押さえつける癖をつけてしまうと、心の歪みが起こります。

嫌なものは嫌、悲しいときはワーワー泣く。人間として強くなるためには、他人に頼って弱みを見せたり感情を爆発させたりすることも必要です。

筆者は子どもの頃、重度のアトピー性皮膚炎で地獄のような苦しみを味わいました。食事中もかゆい、痒くて眠ることもできない、かゆみから一瞬たりとも逃げられない日常生活で支配されていました。

皮膚をかけば益々アレルゲンが侵入して悪化する、そんなことはわかっていてもかかずにはいられない。

こんなとき「かいちゃダメって何度言ったらわかるの!」「かゆくない~かゆくない~我慢!我慢!」と言われることほど辛いことはありませんでした。それよりも母親から「かゆいんだね。辛いね」と言ってほしかったのを思い出します。

 

大人だって、自分の気持ちをわかってもらいたいと思うものです。共感してほしいんです。そのため、子どもが泣いたり怒ったりしたときかける言葉を少しだけ工夫してみてくださいね。

 

【著者略歴】

※ 立石美津子・・・1961年大阪市生まれ。聖心女子大学在学中、幼稚園教諭・小学校教諭免許を取得、佛教大学にて特別支援学校教諭許取得後、障害児教育に携わる。32歳で株式会社パワーキッズ(教室名:エンピツらんど)を起業。

現在、教室に3歳~小学校3年生まで7,500名の生徒が通う。講演家・作家・自閉症児の子どもを持つ1児の母。

著書に『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』(中経出版)、『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』(あさ出版)がある。

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