もう怖がらないで!DVを解決して安全を取り戻す方法2つ

It Mama編集部

悩み, 社会

もう怖がらないで!DVを解決して安全を取り戻す方法2つ

夫婦でも、許されることと許されないことがありますよね。

例えば、暴力。「俺はお前の夫なんだから」というような理由での暴力は、許してはいけません。正当化するのはおかしいです。暴力はどんな状況においても、絶対にやってはいけないことです。

しかし、夫からの暴力(いわゆるDV)を受けても離婚できない夫婦もいます。気持ちの問題や世間体だけでなく、家庭の複雑な事情でできない場合もあるのです。

そんなとき、一体どうやって身を守ればいいのでしょうか。深刻なDV問題に詳しい専門家、馬場・澤田法律事務所の長森亨先生に教えていただきました。

 

■1:DVを刑事的に解決する

離婚以外で身を守る方法は、2つあります。ひとつは“刑事的に解決する”。もうひとつが“弁護士に相談して解決手段を教えてもらう”です。

DVの内容によっては、法律が定める犯罪行為に該当することがあります。その場合は、“刑事的な解決”という手段も選択肢のひとつになります。いきなりビックリするかもしれませんが、犯罪は違法です。裁かれなければなりません。

前述の暴力などの身体的DVは暴行罪に該当し、それによって何らかの怪我をさせれば傷害罪に該当する可能性が出てきます。また、言葉の暴力による精神的なDVで危険を感じた場合は、脅迫罪に該当する可能性があります。

このような被害にあった場合は、警察に被害届を出して、相手に処罰を求めることができます。ただ、ここで注意したいのが、警察が被害の深刻さを受け止めて、すぐに捜査を開始してくれるとは限らないということ。

まずは、被害届を出す前に、「自分が受けているDVは警察に被害申告ができるか?」ということと、「被害申告をするとすれば、その後はどうすればいいのか?」ということを警察とよく相談しましょう。

とはいえ、仮に警察が被害届を受理してくれたとしても、必ず加害者が逮捕され、刑務所に入るわけではないということにも注意が必要です。

警察に被害届を出したことが加害者に知られてしまうと、さらなるDVの引き金となる可能性もあります。また怖い思いをするのは嫌ですよね? そのため、自分の安全が十分に確保される環境を整えておかないといけません。

刑事的な手段をとったとしても、加害者に自分の居場所がばれてしまい、さらなる被害に遭うといったことは、ニュースなどでもよく聞く話ではないでしょうか。

よって、絶対に“自分の身の安全”を第一に考えて行動してください。

難しい問題ではありますが、今、自分がどれだけ深刻で、助けが必要な状況にいるのかを警察に相談するのは、後のことを考えても大事なことだといえるでしょう。

刑事的な解決といっても、加害者が刑罰を受けることでDVのおそれが根本的になくなるかどうかはわかりません。

一番大切なのは、あなたがDVの恐怖におびえずに安心して暮らせるようになること。

離婚という方法も刑事的な方法も、どちらで「解決するか」というものではなく、あなたが安心して暮らしていくためにはどうしていけばよいのかということの選択肢のひとつなのです。

 

■2:DVを弁護士に相談して解決手段を教えてもらう

もうひとつの“弁護士に相談して解決手段を教えてもらう”については、以下から詳しく説明していきます。

DVは、受けている環境から避難した上で当事者同士が話し合って解決していくことももちろん可能です。

しかし、相手の理解を得られずに対立が深刻化した場合、何らかの法的手続きを利用しなければいけないかもしれません。離婚せず、そういったことをしないといけない場合もあるのです。

また、それ以前の問題として、頭の中がぐちゃぐちゃになって、途方に暮れてしまう可能性もあります。

DVを受けている中でどうしたらよいのか、そもそもこれはDVなのか、相手が怒るのは自分が悪いのではないか、子どももいるのに自分がしっかり我慢しなくていいのか、このままで生活していけるのか、などなど……。

混乱して、どうしたらいいのかわからなくなってしまうことも考えられます。

そんなとき、警察に頼るのもいいのですが、警察以外だと配偶者暴力相談センターなどが親身になって相談に乗ってくれ、これからどうしたらいいのか、どういった法的手続をとることができるのか、といった説明をしてくれます。

このような公的機関以外にも、しっかり頼れる存在があります。それは、弁護士。彼らも、これからどう行動すればいいのかといったアドバイスをしてくれるのです。

弁護士は、客観的な立場から冷静にあなたの話に耳を傾け、あなたのためにどうするのがいいのか親身になって相談にのってくれます。

両親や友人など、あなたの立場で相談に乗ってくれる人は大切な支援者ですが、今後の具体的な方策に悩んだときにはこうした専門家に相談するのも手段のひとつです。

もちろん、なんらかの法的手続をとることを決めた場合も、自分ひとりだけで手続を行うこともできます。けれども、相手に自分の居場所や連絡先を知られたくないといった事情もありますよね。

そうした場合にも、弁護士などの専門家に相談をした方が確実といえるでしょう。

ちなみに、弁護士に相談する場合は、弁護士の知り合いがいる家族や友人から紹介を受けるという方法のほか、自治体や弁護士会が行っている法律相談で相談をするという方法もあります。

あと、日本司法支援センター(法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられる場)では、電話や面談などによるアドバイスを始め、窓口の紹介なども行っています。

弁護士費用についても、一旦、立て替えてくれ、利用者が毎月少しずつ返済していくという制度もあるので、お金がなくても安心して利用できます。

普段、弁護士は縁遠い存在かもしれません。しかし、自分の身の安全を第一に考えれば、法律を熟知したこうした専門家に間に入ってもらうのもひとつの方法ではないでしょうか。

 

まずは、一歩踏み出して誰かに相談することが、DVから逃れるための第一ステップになります。DV被害に遭いながらも、誰にも相談できず、ひとりで悩んだり辛い思いをしたりする姿を見せることは、決して子どもにもいい影響を与えません。

勇気のいることとは思いますが、自分のためにも、子どものためにも、行動を起こしてみてください。それは決して無駄にはなりません。離婚せずにちゃんとDVは解決できるのです。

「救いの手はすぐそこにある」と信じて、体を動かしてみましょう。

 

【取材協力】

※ 長森亨先生(馬場・澤田法律事務所)・・・平成17年10月弁護士登録(東京弁護士会)。主な著書に『ストーカー・DVの問題Q&A(暮らしの法律問題シリーズ)』(共著、中央経済社、2010年)、『Q&A 子どもをめぐる法律相談』(共著、新日本法規出版、2011年)、『図解 会社法(平成23年版)』(共著、財団法人大蔵財務協会、2011年)などがある。

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