遺伝?それとも環境?ついに性格が作られるメカニズム解明

It Mama編集部

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遺伝?それとも環境?ついに性格が作られるメカニズム解明

あなたは自分の性格が好きですか? 例え好きでも、人前で堂々と好きだと言うことはできますか?

誰だって、嫌なことをされたら人の悪口を言ってしまうし、イライラして人に八つ当たりしてしまいます。そう考えると、なかなか大声で「大好き!」とは言いにくいですよね。

そんな嫌な性格は、一体どこまで子どもに遺伝するものなのでしょうか? 日本心理学会が発行している『心理学ワールド』に、性格と遺伝子の関係について掲載されていたので、ご紹介します。

 

■神経質の遺伝子と呼ばれるものはない!

嫌で似てほしくない性格は色々あると思いますが、神経質、不安になりがち、というのは避けたいですよね。

遺伝子の中に、神経質な性格の遺伝子、不安になりやすい性格の遺伝子は存在するのでしょうか? また、それは子どもに遺伝するのでしょうか?

慶應義塾大学で行動遺伝学を研究する安藤寿康先生は、「血液型などは1か所の遺伝子で性質が決まりますが、性格のような複雑な性質は、たくさんの遺伝子の影響を受けますから、どれか1つの遺伝子を“神経質の遺伝子”と呼ぶことはできません」といいます。

「たとえば神経伝達物質の1つ、セロトニンに関わる遺伝子の短いタイプをもつ人は長いタイプの人より不安が高くなりやすいという傾向が報告されていますが、その遺伝子だけで説明できるのはほんの数パーセントですし、セロトニンは体や心のさまざまなはたらきに関係しているので、不安遺伝子と呼ぶことはできません」

つまり、性格は遺伝子と関係ないということでしょうか?

「性格に関わる遺伝子が親から子に伝わるときは、父親と母親からそれぞれ遺伝子が半分ずつランダムに伝わり、両親のいずれとも異なる新しい組み合わせが生まれますから、遺伝の影響を受けたとしても、どちらかの親と同じ遺伝的素質になるということは絶対にあり得ません。

性格に関わる遺伝子の組み合わせも、人の顔立ちが遺伝的に皆異なるのと同じように、古今東西すべての人が皆違うと考えてまちがいないと思います」

遺伝子の影響で親と全く同じ性格になることはない、ということですね。

 

■性格は素質と環境によって形成される

すると、どんなことが子どもの性格を作っていくのでしょうか?

「こうした遺伝子の違いがどのくらい一人ひとりの性格の違いを説明するかをふたごのデータから算出すると、だいたい50%前後になります。

これは残り50%が環境によることを意味します。しかし親の影響や家庭の影響(これを共有環境といいます)は先にも述べたようにほとんどみられません。

むしろ一卵性のふたごですら違う一人ひとりに独自な非共有環境が重要なのです。これは状況により時間とともに変わる影響です。

要するに性格は、自分のもともとの素質のうえに、そのときの環境の影響が加わってあらわれ出たものといえます。そこにあなたの努力が加われば、環境によってあなたの素質をより美しく表現することができるでしょう」

安藤先生の研究では、“子どもの性格は遺伝的素質50%、非共有環境が50%で作られることがわかった”ということですね。

 

なるほど! 例えば、「せっかちな性格はママに似ているわね」と思っても、それは環境のせいでそうなってしまっただけ、ということですね。面白い研究結果ですね。子どもの性格が気になるママは、しっかり環境を整えてあげましょう!

 

【参考】

日本心理学会(2007)『心理学ワールド 29号』 実務教育出版

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